本「エクソフォニー」
ブログ「外国語上達法」で書かれていた多和田葉子氏の本「エクソフォニー-母語の外へ出る旅-」に興味を持ち、最近やっと読みました。
ドイツ語でも創作している多和田氏が書いているということで、1/3弱を占める第二部はドイツ語の知識がある人のほうがわかりやすいと思うが、言葉や言語、文学などに関心のある人なら興味深く読めると思う(翻訳についてもところどころで言及されてる)。私は面白かった。自分なりに普段ぼんやり考えていることが、きちんと言葉で言い表された気持ちよさがあったり、新しい視点をもらったり。この人は日々どれだけ言葉を考えていることか。
特に注意をひいた点を一部。
・クライストの長文
英語とかでもそうだけど、関係詞や接続詞で続いていく文ってありますよね。クライストという作家の作品では、それがものすごく長く続くことがあるそうで、悪文とも言われてるらしいんだけど、その長さにこそ意味があるのではとの解釈。あんな書き方されたら原文読みたくなってしまうぞ。従属文には自分でも思うところがあったので、興味深かった。
・アフリカーンス語
これはね、内容とは全然関係ないんだけど。なんか「語」ってつけると発音というか区切りが落ち着かないなあって。「アフリカーンス」ならまだ言いやすいのに、「語」がつくとすわりがわるいようでむずむずする…。そんなことないですか? あのー、「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」って曲ありますよね。私あれ、ドイツ語習う前までは「アイネ・クライネ・ナハトム・ジーク」って区切りだと思ってたんです。日本語だとこっちのが流れがいい気がするんだよなー。
・欧米>日本>アジアという誤った認識
白状しますと、そんなつもりはなかったけど自分にそういう意識があったことにドイツに滞在したとき気付いて、結構がつんときたんです。それから観察中なんです。いろんな国のいろんな人と言葉を交わせたのは、本当によかった。
・sinnlos<Unsinn<Blödsinnと言葉がきつくなっていく
勉強メモ。こういうのは辞書じゃわからないのでね。翻訳しているときは「独和大辞典」を使うことが多いのだが、あれは語彙数がある分、この手の説明がない。その前に愛用してた「マイスター独和辞典」は類義語の説明、分離/非分離動詞の付記、巻末に各種の活用表などあって、文を書くときにも使いやすい。
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