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新正書法

 今年の8月1日、新正書法が実施されました。正書法とは簡単に言うと文字の書き方です。それをわかりやすく改めようというのが正書法改革です(スペルの変更など 一例 Telephon→Telefon)。
 実施されたと書きましたが、この表現は多少微妙なものがあります。なぜなら
・新正書法はすでに1998年8月に始まり、2005年7月まで移行期間だった(以前に少し正書法のことを書いたとき、移行期間はもう終わってると思ってとんちんかんなことを書いてしました。申し訳ない)
・まだはっきり決まっていないところがある
・ドイツ、オーストリア、スイスで足並みをそろえるはずが、7月半ばになってドイツのバイエルン州とノルトライン・ヴェストファーレン州が保留に出た(移行期間同様、どちらも有りとする)
からです。この辺りのことは、サイト「ドイツ語情報の広場」の「新正書法がほとんどの州で発効」にまとめて紹介されているので、そちらをぜひどうぞ。
 また、一部新聞(FAZの動きが有名らしい)や出版社でも採用を見送っているところがあり、作家などの反対者も多いそう。ああ、でも、実施を見送っている州や新聞などでも、すべてがきちんと決まればやるよと言っているようだし、新正書法は学校と官公庁で有効らしいので、問題ないと言えば言えるかな…ははは……とは思えない…。言葉の問題だから、そう簡単にいかないだろうな。私が授業や友人から聞いてた正書法なんて、ごく一部でした…。うまくいけばわかりやすくなる部分もあるようですが、この状態ではごちゃごちゃになってしまうのでは。とにかくはっきり決めて、それをわかりやすいように知らせてほしい。このために設置されたというRat für deutsche Rechtschreibungのサイトは情報少ないしさ。10月、11月にまた会議があるので、それが待たれます。

 関連サイトを少しリンクしておきます。ドイツ語のものばかりですが、日本のでもいくつかの規則を紹介したサイト、新正書法に関する本があります。辞書で取り上げられているのも多いと思います。
Institut für Deutsche Sprache-ドイツ語研究所。役所発表の新正書法規則や、変更単語表リスト。
Duden-辞書関係ならたいていまとめているようですが、とりあえずこちらから。「Neue Rechtschreibung」にまとめ、豊富な例が。
Schriftdeutsch: Rechtschreibung und Rechtschreibreform-新正書法についての細かなまとめ、ニュースなど情報多い。
wissen.de-ページ下方でWahrigのRechtschreibung辞書が引ける。
Spiegelより。そのうち有料になってしまうかもしれないが、主要なものをまとめたページ。下を書くのに参考にしました。
n-tvより。正書法改革の流れ。関連記事、例など。
 と、リンクしてますが、ごく一部しか読めてませんけどね…。

 あと、まだ話し合われることになっているもの。
・Groß- und Kleinschreibung
 radfahren→Rad fahren
 der nächste→der Nächste
 heute mittag→heute Mittagなど

・Getrennt- und Zusammenschreibung
 kennenlernen→kennen lernen
 eislaufen→Eis laufenなど。これは以前のものでいいのではという意見が出ているそうだが、一部が上とかぶっているので、その辺りがまだ考慮されないとなのだろう。

・Worttrennung
 「分綴法」と言われる語の区切りに関するもの。単語の途中で改行する場合「‐」を入れるが、その場所は決まっている。その関係。新正書法でよく例に挙がるのは、「st」と「ck」。「st」は分綴不可だったのだが、音節を考えて「s-t」と。つまり「We-ste」が 「Wes-te」に。
「ck」。区切るときに「ck」は「kk」と変化する決まりだったそう(知らなかった)。それを変化なしで。Zuk-ker→Zu-cker。

 以上、まだ議論されるものでした。決定済みの規則には、「‐」や「,」の使い方や外来語について、スペルの変更などがあります。少しまとめようかとも思ってたのですが、素人なのでやめときます。つかれたし。

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ドイツ語、翻訳など」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。しおかぜと申します。

日本語には正書法がない、とよく言われますが、私には正書法のイメージがいまいちよく分かりません。

ドイツ語における正書法、というのは強制力を伴った法律のようなものなのでしょうか?

日本語に関する内閣告示(たとえば、かなづかいや送りがなの基準、常用漢字表など)などとは性格の違うものなのでしょうか?

はじめまして。ブログ拝見しました。とても興味深いです。
言語学や日本語の正書法についての知識がないので答えになるかどうか。多少の参考になればよいのですが…。

えーと、まず正書法改革に取り組んでいるのは、Kultusministerkonferenz(KMK)、手持ちの辞書(小学館 大独和辞典)によると「文部大臣会議」つまり「各州の文部大臣からなる常設の機関」です。
さらにこの新正書法についてはニュースなどで「verbindlich」という言葉が使われています。辞書から引用すると、ふたつ目の意味として「束縛する,義務を負わせる;(法的に)拘束力をもつ」が出ています。ということは強制力のあるものと思われます。
ただ、ドイツは連邦制で、各州の権限は大きいようです(KMKの説明で「各州の文部大臣」と出ていたのもこの関係)。そのため新正書法についても、最終的な判断は各州で行われる、と。そして、本文にも書いたように、ふたつの州が直前になって施行を見送るという判断をしました(オーストリア、スイスでは「え?」という反応が起きているそうです)。
また、新正書法の効力は、学校と官公庁となっているので、新聞などでも見送りの動きが出ているのは、有りと言えば有りのようです。
というわけで、私の知っている範囲で書きましたが、なかなか微妙な状態のようです。いまだに未定の部分もありますしね…。
ドイツ語を知らなくても読んでくださってる方もいるので、何がどう変わるかも含めてなるべくわかりやすく書きたかったのですが、自分の知識不足もありうまくいきませんでした。ここもまたごちゃごちゃしてしまいましたね。緊張してかたくなってますけど、少しでも伝わればいいです。リンク集には大学教授のサイトもあって、質問を受け付けているところもあるので、もっと深度と信用性のある情報をご希望でしたら、そちらをおすすめします。

ドイツ語関係者の方、間違えているところや補足等ありましたら、どうぞどうぞこちらをご覧の方のためにもお知らせください。

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    ドイツ語に興味を持ったのは、『ホッツェンプロッツ』を読んだのがきっかけ、でしょうか。
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