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「東と西」政治体制に翻弄/日本人作家への関心の厚み

 12月4日読売新聞からふたつとりあげます。

・「「東と西」政治体制に翻弄」   

 特集記事「歴史教科書」より。ポーランドでは事実と異なる教科書を使った歴史教育、旧東独では社会が変わるとともに変えられた歴史教育についての記事。

 小中学校教師の言葉が印象に残る。
「殺したのは、本当はロシア人なんだ。でも、テストに出たら、ドイツ人がやったと書きなさい」(ポーランド)
「昨日までの授業と正反対のことを教えるのはつらかった」(旧東独)


・「日本人作家への関心の厚み」

 こちらは文化欄のコラムより。日本文学と関わりの深いふたりのフランス人を通し、世界の中の日本小説を伝える。

「イタリアでよしもとばななが成功したのは、新しい社会状況を証言する同国の女性作家らと、通じ合う感性の力。フランスで大変良く読まれている小川洋子にも同じことが言える。もはやエキゾチシズムより、社会背景の共有や読みやすさを読者は求めている」
 (ルネ・ドゥセカッティ氏 スイユ社編集委員、文筆家)

「日本固有の何かを伝え、しかも愛や死について深い感動が残る。両方を満たすことが”輸出品”としての条件」「(自身が翻訳する池澤直樹「花を運ぶ妹」は)近代の欧米的価値観を疑わなかった妹が、アジアを放浪する兄を救う過程で東洋を発見していく物語。つまり東西がぶつかり、連結する場所として日本がある。日本の文化的な重要性はさらに増すでしょう」
 (コリーヌ・カンタン氏 フランス著作権事務所代表)

 記事からは離れるが、ドイツ語版「よしもとばなな」を出版しているDiogenes社(スイス)も「キッチン」についてこう書き記している。
Eine ganze Generation kann sich mit diesem Buch identifizieren, dessen Schauplatz zwar Tokyo ist, das aber auf der ganzen Welt spielen könnte.
(試訳:ある世代の者なら誰でも、この本の中に自分を見いだすことができる。東京とはなっているが、この話は世界中どこでも舞台となりうるだろう)

 さて、記事の最後はこうです。
「変化と伝統と、東洋と西洋が交差する場所。この恵まれた立地点を、日本の作家、出版人は改めて自覚していいだろう」
 これは、読者にも言えることだと思いました。

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